わらわはねこみみ姫。ここは姫の書庫なのじゃ。

今日はの、アイドルの物語を紹介するのじゃ。アイドル、よいのう。わらわも姫ゆえ、輝く者の気持ちはようわかる……わかる、のじゃが……。

その……この本はの……。

姫口調ではいられないのじゃ。最後のページで腰を抜かしたからのう。

なので、ここからは通常進行でいきます。

読後の第一声

読み終わって、声が出ました

「ギャッ!!!!?」って。心臓ばくばく。

コハク

「姫さま、書き出しから被害報告なんですけど」

「被害報告です。でもこれ、褒めてます。最大級に褒めてます!」

しかもこの心臓に悪い仕掛け、文庫本限定らしいんですよ。だからこの記事では「どの版を買うべきか」まで含めてお話しします。答えは文庫です。文庫を買ってください。

姫が実際に体験したのは講談社文庫版です。単行本や電子版で同じ体験になるかは、この記事では確認できていません。

この本との出会い

この本との出会い

わたしが主宰している文芸同人誌に、作者の真下みことさんが参加してくださることになりまして。「どんな作風の方なんだろう?」と手に取ったのが最初でした。

そしたら、わたしの大好きなアイドルもの

しかも刊行時のプロモーションがすごくて、作中アイドル・柚莉愛の所属ユニットのウェブサイトみたいなページや、楽曲まで用意されていた記憶があります。本を閉じても、まだそのアイドルがどこかで活動していそうな感じがあったんですよね。第61回メフィスト賞受賞作です。

コハク

「メフィスト賞って、ミステリ界の『何が出てくるかわからない賞』ですよね」

「そう、そこもポイント。アイドル小説の顔をして、ちゃんとメフィスト賞なんです」

どんな話?

どんな話?(ネタバレなし)

アイドルの柚莉愛(ゆりあ)が配信企画をやるんだけど、ネット炎上に巻き込まれていく話です。

アイドルの感情描写がなまなましくて、リアルに迫ってきて、こわい。

特にわたしが唸ったのは、アイドル同士の微妙な関係性です。仲間ではあるし、仲良い子もいたりするし、仲悪い子もまた、いたりする。

仲が悪いわけじゃないのに、なんかありそうで、実際ちょっとあったりする。こういう空気、分かる人にはかなり刺さると思います。

コハク

「姫さま、その一文、女子の集団にいたことがある人全員に刺さりますよ」

刺さるでしょ。悪意だけの物語ではなく、善意と承認欲求がないまぜになった生々しさ。だから他人事にならないんです。

配信者として読んだ感想

配信者が読むと、マジで怖い。

ここからは、配信する側として書いておきたい話です。わたしはVTuberとして配信する側の人間でもあるのですが、配信者が読んだら、マジで怖いです。まちがいない!

ゲーム配信でも雑談でも、今は本当に気軽に配信できます。だからこそ、コメント欄をこちら側から見たときの感じが、読んでいて嫌に生々しかった。見る側だったときにはただの文字だったものが、配信している側に立つと、期待や圧や、時にはこちらを試してくるものに見えるんです。

コハク

「怖さの種類は? ホラー? 人間が怖い系?」

「ぜんぶです。ホラー、人間、SNSの構造、そして『自分にも起こりそう』が、ないまぜになって襲ってきます」

読む前の注意

読む前の注意(正直に書きます)

日の高いうちに読む

読後に背筋が寒くなるタイプです。夜に読んだ姫からの、心からの忠告です。

元気な日に開く

気分が沈みやすい時期に読むと引っぱられるかもしれないので、少し元気な日に開くのがおすすめです。

SNS利用者ほど刺さる

SNS、配信、アイドル文化に近い人ほど、生々しさが強く届くと思います。

ミステリ好きにも

かわいいアイドル小説だと思って油断せず、メフィスト賞受賞作として向き合ってください。

これは姫個人の読書体験にもとづく案内です。感じ方には個人差があります。

なぜ文庫版?

で、なぜ文庫本なのか

最後にもう一度。冒頭で姫が腰を抜かした「ギャッ!!!?」の正体である仕掛けは、文庫本限定とのこと。

何の仕掛けかは言いません。言ったら台無しなので。ただ、最後のページをめくったとき、姫のように声が出る人はきっといると思います。

単行本や電子版で同じ体験になるかは未確認です。そのため、この書評では姫が実際に声を出した講談社文庫版を案内します。

……ふぅ。ここまで書いて、ようやく落ち着いてきたのじゃ。

そなたも読むかや? 読むなら文庫にしたもれ。そして読むのは、日の高いうちにの。

ISBN:9784065260463

この書評の開示

ご縁のある作家さんの本を、読了した姫自身が紹介しています。

作者の真下みことさんは、ねこみみ姫が主宰する文芸同人誌へ参加してくださった作家さんです。そのご縁を明記したうえで、この記事は姫自身の読書体験と感想をもとに編集しています。

この記事は出版社や作者から依頼や報酬を受けて執筆したものではなく、運営者が自発的に作成しています。

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